安全は自分で守るもの

スペイン自動車テロを無視しない! 


2017年8月19日にブログに書いた記事です。  

スペインのテロは本当にひどいものでしたが、これはフランスのニースに始まったISISによる自動車テロ推奨の流れの一環であることは言うまでもありません。このテロの背景を「バンの運転手であるなら、群衆に激突して通りを血で染めよ。彼ら(信仰の敵)が寝ている間に家を燃やせ」というISISのネット配信に求める意見がありますが、それが直接の原因かは定かでありません。しかし、使われたのはフィアットの白のバンのレンタカーでした。  

今回の一連の報道を見ていて(テレビはほとんど見ていませんが)とても気にかかったのは、事件の悲惨さを伝えるものばかりで、まるで「他人事」のように見えたことです。もちろんメディアの役目は現実を正確に伝えることですから、それで良いと言う意見もあるかも知れません。しかし、私のように市民のセキュリティ確保を専門にしている者には相当違和感を感じるものなのです。なぜなら、自動車を使ったテロは日本でもごく簡単に起こせるテロだからです。端的に言って、爆弾テロよりも格段にハードルが低いのです。


■ 市民の安全確保の視点から  

「テロの危険があなたの身近に迫っているから注意してください」「こうすれば、歩行中のあなたの安全度が高まります。方法は・・・」と言っている日本のメディアがほとんど見あたらないのが残念です。現時点で、ヨーロッパで頻繁に起きている自動車を使ったテロを日本でも起こりうるものととらえているメディアがほとんどいないことは「平和ボケ」としか言いようがありません。  

2008年に東京・秋葉原で発生した、無差別殺傷事件を経験している日本なのに、なぜなのだろうかと私には不思議です。事件の背景が全く異なるにせよ、結果として『有名な人混みのある場所で、効率良く、多くの人を殺傷してアピールする』という方法論と結果においてはテロと同じものです。  

今現在でも、自動車を使ったテロを防止するために打つ手はあります。 ・政府や自治体の対抗手段としては、常に人混みの出来る地域を特別に許可された車両以外は乗り入れ禁止にするのです。また、頑丈な「車止め」を人混みのできる地域に設置するのです。 ・ また、上のような対策ができていない人混みのできる地域の歩道や広場を歩行する市民一人一人は、

1) いつ車両が人混みに突っ込んでくるかも知れないという意識を持ち、前方および後方に目を向け、油断しない

2) 道路や広場を歩くときには常に道路と反対側(建物の近く)を歩く

3) 周囲に少しでも異常を感じたら、ただちに細い路地や建物に入る  

たったこれだけで、あなたが自動車テロを避けられる可能性は格段に高まります。別に難しいことではありませんし、1)、2)などは性的被害防止、窃盗防止にもなります。是非実行してください。



■ 自動車テロに関して気になる情報  


ここからの記事はあなたの気分を著しく害する内容を含みます。ですから、映像を見るかどうかは、ご自分で慎重に判断してください。  

まず、私の講演会に参加していただいた一部の方にはISISが実際に使っているビデオゲームの「グランド・セフト・オート」があります、と紹介しました。これは、利用者が設定を自由に変えられる残虐性の高いゲームです。しかも、凄い数がダウンロードされている人気ゲームソフトなのです。実はこのゲームの中で、「人をひき殺す」という設定ができます。そしてそれが、You Tubeに何本も上がっています。一本を紹介します。2013/12/03の公開です。 【GTA5】人を大量にひき殺す  

こんなものが公のメディアに公開されていることが大問題だと思います。これをアップした若者の口調も病的ですが、それを観ている人間が56万人以上いる現実が深刻です。しかも、ほとんどが好意的なコメントです。若者が、何年もこれに慣れていれば、ISISの指示があっても何も違和感を覚えないでしょう。日本の若者がこの映像と、ISISの動画を観た上で、絶望的な失恋・失業その他の経験をしないことを祈るばかりです。これは冗談ではありません。上の三つがそろったために実際にテロリストになった例があるのです。そんなことが、日本で現実化することがないことを祈るばかりです。